【インタビュー】『ぶどうのなみだ』大泉洋×安藤裕子 北海道の大地で初めて見つけたモノ
純粋に“演技者”という立場で映画の世界に触れたことは安藤さんに大きな刺激や発見をもたらした。
「元々、私は映画の世界に憧れがあって、高校の頃に『映画監督になりたい』と言ってた時期もあったんです。憧れを持ちながらも『自分には無理だ』とあきらめた世界でもあり、その道のりの中で自分はものを作るのがとにかく好きなんだと分かって、音楽を作るようになったんです。音楽が好きという以前に、自分がその時にワクワクするようなものを作りたいんですよね。ミュージシャンとしてデビューした後も、女優のお仕事の話をいただくことはあったんですが、自分にとって映画は尊く、憧れも強すぎたし、恥をさらすのを怖いという思いもあって『まずは音楽で何が出来るか』という気持ちもあって…」。
そんな安藤さんの心境に変化が訪れたのは3年前。そこからいくつかの偶然を経て、本作への出演へと至った。
「地震が起きて、その後、私を育ててくれた祖母が亡くなって、自分に子どもも生まれて、生とか死について考える時間があったんですね。
もう少し素直に、自分が生きていく中で何がやりたいのか?と考えることがあり、自分が死ぬまでにやりたいと思っていたことを全部やろう!と思うようになったんです。