英国版“おくりびと”から手紙の代筆、南極の料理人まで…映画で見る“お仕事図鑑”
イギリス発といえば、ジュリアン・ジャロルド監督『キンキーブーツ』では、倒産寸前の靴工場で、ひょんなことから知り合ったドラァグクイーン(キウェテル・イジョフォー)の助言を元に女物の紳士靴=キンキーブーツを作り出し、再起をかける靴職人(ジョエル・エドガートン)を描き、次第に育まれてゆくふたりの友情も見どころとなっていた。
頑張った分だけ人生が輝くことを教えてくれる、お仕事映画
さらに、『おみおくりの作法』では、主人公ジョン・メイはプライベートも仕事も、何事も丁寧に規則正しくこなす人物だが、彼が最後に担当した“おみおくり”の仕事と真剣に向き合うことによって、その人生が変化していく姿も物語の重要なテーマだ。
仕事が人生のすべてではなくても、仕事によって人生が変わる可能性はある。優しい視点から、そう教えてくれる映画は、これまでにも数多く公開されてきた。
黒澤明監督によるヒューマンドラマの名作『生きる』では、志村喬演じる、仕事の情熱を失った定年間際の市役所市民課長が、自身が余命いくばくもないと知ったことから、残された時間の中で「自分にできること」について改めて考え、仕事への情熱を取り戻す姿が描かれている。