【シネマモード】欲望、羞恥、痛み、快楽…フォン・トリアーの挑発『ニンフォマニアック』
(Photo:cinemacafe.net)
やっぱり、普通じゃない。ラース・フォン・トリアーという監督は。最新作は『ニンフォマニアック』。女性の色情狂=ニンフォマニアを意味するタイトルがつけられた本作は、女性のセクシャリティをテーマに、幼い頃から性に特別な関心を抱き、好奇心とそこから生まれた欲望を満たすため、数えきれない男性と身体を重ねてきた女性主人公・ジョーの遍歴を描いています。
道端に倒れているジョーを助け、彼女がそこに至るまでの話に真剣に耳を傾ける紳士セリグマンとの会話が中心。これまでのフォン・トリアー作品と比べても、過激でセンセーショナル。いつもの気の滅入るような要素はないけれど、性表現が苦手な方はご覧にならない方がいいかもしれません。
でも、フォン・トリアーの挑発に乗るのが好きな方、人間を深く探求するが好きな方には、決して見逃して欲しくないのが本作。
性とは、人間が避けて通れない欲望のひとつで、それなしに生命は続いて行かない、生き物の根幹にかかわること。にもかかわらず、なかなか公には語られることのないタブーや恥ともされる性への好奇心に迫り、しかもそれを女性側から語る手法は、社会への挑戦とも言えるのかもしれません。