【シネマモード】セドリック・クラピッシュ、作品と共に年を重ねる魅力『ニューヨークの巴里夫』
そして自分が思うことを語るのではなく、実際にそうであることを語ることなんだ。その結果、3作とも流動性がテーマになった。一作目ではスペインに行き、二作目はロシア、今回がニューヨーク。というのも今日、流動性というのは社会の大きなテーマだから。たとえば携帯、インターネット社会もそうだし、旅行もそう。以前に比べて職を替える人は多いし、現代では一回結婚したら終わりではなく離婚をするケースも増えている。だからこのテーマはとても現代的だと思うんだ」。
親しみ深い魅力的なキャラクターについては、こんな秘密があるそう。
「僕はリアリティから出発して、とてもリアルな事柄を用いながらストーリーを創造していくのが好きなんだ。キャラクターも可能な限りリアルにしたい。たとえばセシル・ド・フランス演じるレズビアンのキャラクターは子どもを持ちたいと望んでいるけれど、彼女のような人たちは増えている。実際に会ってリサーチしたし、ニューヨークに住んでいるフランス人にも何人か会ったよ」。
このシリーズを“ライフワーク”だと話し、思い入れが強いという監督。グザヴィエという人物に自分を投影しているのでしょうか。「一部はね、でも完全にそうというわけではない。