【インタビュー】伊勢谷友介×入江悠監督 三十代半ばで感じる“非・主人公”の楽しさと美学
たびたび発せられる「もっとやりたかった」という言葉からはハマリ役を手に入れた手応えをうかがわせる。
「正直、もうちょっとやりたかったです(苦笑)。ようやく、この歳になってこれまでとはまた違う役どころというか、いまの亀梨くんの年齢とは異なる立場の役が舞いこみ始めてきたのを感じていて、すごく楽しいです。と同時に、映画を通じて徐々に役柄の成長を見せるのではなく、もう最初からどっしりとそのキャラクターがそこにいないといけない。それは初めての経験でした。“消化不良”と言うとネガティブな意味に捉えられちゃうし、そうした思いはいつもどんな役に対してもあるんですが、今回は特に撮影に参加した時間が短かったのでもっとやりたかったという思いが強いです」。
一方で入江監督は、わずか1週間とはいえ伊勢谷さんの存在感に、作品の中のみならず現場の空気という意味でも大いに助けられたとふり返る。「やはり僕にとってもこういうジャンルもこれだけの規模での撮影も初めてで、亀梨くんにとっても初めての経験が多い中で、最初の撮影が伊勢谷さんで始まって、安心させてもらいましたね。
そこで『大丈夫だ』という手応えを持って、亀梨くんと一緒にその後の海外でのロケに臨めたというのはあると思います。