【インタビュー】高良健吾 命を見つめた10年 幾多の“死”を乗り越え、永遠を刻みつける
仕事である以上、やらなきゃいけないし、呼ばなきゃいけない。これまでも奇跡を『待つ』ということはありました。気持ちを作った上で。でもいまは、気持ちを作った上で奇跡を『呼ぶ』という感覚なんです」。
求められる役柄に関しても、ここ数年で、死と隣り合わせのものばかりでなく、明るさや希望に満ちた人物を演じる機会も増えてきた。それを素直に「嬉しい(笑)」と感じている。
「いろんな自分に逢いたいって思います。いろんな役をやりたいし、すべきだなと。
さきほどの『仕事』の話じゃないですが、以前は『これは僕じゃない』と思っていた仕事もあったんです。いまは『この1行のセリフを言いたい』『このシーンで自分は何をするんだろう?』という気持ちで仕事をしてるんです。『潔く柔く』もそうだし『平成猿蟹合戦図』もそうでした。明るい役が増えてきたのは純粋に嬉しいです。やはり、ネガティブな役よりは気持ちは上がります(笑)」。
「死」と向き合いながら歩み続け、そこから「生」を見出し、それでもやはり「死」が常に「生」と隣り合わせにあるということも常に忘れない。
「『いつか死ぬんだ』という感覚は分かります。それは、自分が死ぬ役をたくさんやったからこそ感じるのかもしれない。