2015年2月14日 14:00
【シネマモード】恋に愛に悩む女性へ…男女の違いを理解する『ラブストーリーズ』
『コナーの涙』『エリナーの愛情』では、それぞれに独自のシーンが追加されていたり、同じシーンであっても視点の角度や、言葉のニュアンス、衣装までもが違っていたりすること。人間の記憶の曖昧さを、男と女の感じ方の違いを、こんな風に映し出すのはとても実験的。そして、妙に切ない。ぜひ2作を見比べて、エリナーとコナーの意識の中へ深く入り込んでみてください。女と男、あまりにも違う二つの視点から、ひとつの物語を観たとき、解釈の幅、感じ方の自由が広がるのを感じるはずです。
そして、観察ポイントがもうひとつ。男と女の違いが顕著になるのが、経年による外見の変化です。エリナー側の心境の変化は、恋愛関係にあるときと、結婚後にきっぱりと物事に整理をつけたいと感じたとき、とても明らかになります。
最初、柔らかいベージュのワンピースに、ふんわりとしたナチュラルなウェーブのロングヘアで登場するエリナーは、“恋する乙女”然としていて、実にロマンティック。ところが、二人が離れてしばらくした後、コナーがしばらくぶりに目にした彼女は、ストレートのショートヘアに、黒や紺といった強く濃い色の、シンプルなデザインの服を身につけた現代的な女。