【ディズニーが描く現代女子なプリンセス vol,2】「ずきんを脱いだ、赤ずきん」
しかも、おばあさんに持って行くと言いながら、道を歩きながらひたすらもぐもぐと口を動かし、お土産をほとんど平らげてしまう、チャーミングな女の子。そんな彼女に忍び寄るのがオオカミ…とパン屋の夫婦。子供を持つことができずにいるパン屋の夫婦が願いを叶えるため、魔女に“必要”言われた赤い頭巾を狙うのです。
赤ずきんちゃんから、頭巾を取ったらいったい何が残るのでしょう。そして呼び名はどうなってしまうのか。一度、パン屋が力づくで赤い頭巾をとりあげた時、彼女は恐ろしいほどの悲鳴を上げます。それは彼女にとって、自分が自分であることの拠り所。ところが、ある試練を経て彼女は赤い頭巾を手放すことを自ら決めます。
赤ずきんの物語には、さまざまな解釈がなされていますが、少女が大人になる過程を暗示的に描いたものだと考える人も少なくありません。頭巾が、血のように真っ赤であることも、重要な手がかり。力づくで取り上げられそうになった時の彼女と、自ら手放す決心をしたときの彼女の違いを見れば、そこに“女性性”や“成長”が暗示されていることは明らか。赤い頭巾を手放すことは、少女性からの決別とも言えるのです。
では、分かりやすく都合の良い記号を脱いだ後、人はどうするのでしょう。