【ディズニーが描く現代女子なプリンセス vol,2】「ずきんを脱いだ、赤ずきん」
女子高生は素の女の子として、消防士、医者、パイロット、キャビンアテンダントは素の人間として、トレードマークが外れたときにでも、魅力的でいられるかどうかが問題です。赤ずきんちゃんのように、自ら「自分に赤い頭巾はもういらない」と記号を捨てる潔さがあるならば、自分らしさ、自分に似合うものがきっと見つけられるはず。
映画で描かれる「めでたしめでたし」の後、赤い頭巾を脱いだ彼女は、もはや赤ずきんではなく、ひとりの少女として活躍するのがその証拠。その際、赤い頭巾のかわりに披露されるのは、大人が好むファッションアイテム。そして、一度オオカミに騙されたことで、目覚めた彼女のしたたかさは、明らかに乙女のものではありません。イノセントに人(そしてオオカミも!)を信じすぎたことで痛い目に遭い、そこから学んだ彼女は、かなりアグレッシブな側面も押し出しています。それはまさに大人の自立をも思わせるのです。もはや純粋なだけではいられなくなったわけですが、それは赤い頭巾の下に隠されていた本性が露わになっただけとも考えられます。
そのあたりの変化は本作の見どころのひとつですから、ファッションと共に、作品を観てのお楽しみとしておきましょう。