【インタビュー】M・アザナヴィシウス監督が語る、“立ちたい場所”にある作品
フィルムで撮る大切なワンカットという重み、緊張感、空間はデジタルでは作れないものです」。
劇中、スタンリー・マイヤーズの「カヴァティーナ」が流れる場面がある。マイケル・チミノ監督の『ディア・ハンター』のテーマ曲として知られる名曲だ。あえてこの曲を選んだのは、ベトナム戦争の帰還兵を描いた同作が「戦争によって深く傷つけられた人々を描いているからです」と言う。戦闘ではなく、人を描くことで戦争の悲惨を伝える。これは本作にも踏襲されている。それゆえなのか、映画のラストは希望だけを強調した脚本執筆時とは違うものになった。「脚本通りに編集してみたら、結末が作為的になってしまったので」と語る。
戦争の現実により踏み込んだラストをぜひ劇場で見届けてもらいたい。監督は言う。「私たち1人1人は無力で、戦争を止めることはできないかもしれません。でも、無関心であることをやめ、行動することはできます」。
(text:Yuki Tominaga)
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(C) La Petite Reine / La Classe Américaine / Roger Arpajou
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