堤真一&加瀬亮&前田旺志郎ら…『海街diary』四姉妹に寄り添う男たち
浜田は元登山家で、マナソル登頂の際に足の指を数本失った経験を持つことから、いまは登山はやめてしまっている様子。是枝監督は「父親の記憶があまりない千佳は、店長に父の面影をみていて、きっとこの街(=鎌倉)から外へ出ていかないであろう人を選んでいるんじゃないかな」と推測。とはいえ、もちろんそれだけではなく、個性派店長の人柄に惹かれたことが、一番の理由かもしれない。
そして、すずは、同級生で自身が所属するサッカーチーム・オクトパスのメンバーである風太(前田旺志郎)に好感を持っている様子。少し鈍いけど快活で、優しく思いやりのある風太に心を許したすずは、自分の家族や“自身の罪”を打ち明ける。優しく見守ってくれる三姉妹とはだいぶ打ち解けたものの、“大切に思っている家族”だからこそ、心の奥底を話しづらい。でも、誰かに話したいと思ったときにそばにいてくれる風太という存在が、すずには必要だったようだ。
是枝監督は、「上手い役者は主役も張れるけど脇にも回れる。
自分だけがいい芝居をするのでなく、物語の中でちゃんと生きて主演を立たせることができる、そういう俳優陣を配置させてもらいました」と男性陣のキャスティングにも自信をみせる。