名作ほど長尺!? カンヌを魅了した3時間超『雪の轍』
トルコが誇る巨匠ヌリ・ビルゲ・ジェイランによる本作『雪の轍』は、カッパドキアの洞窟ホテル・オセロを舞台に、ホテルのオーナーとして暮らす元舞台俳優のアイドゥンと、若く美しい妻、そして妹との愛憎、さらにアイドゥンが思わぬ形で恨みを買ってしまったある一家との不和を描く、濃厚な人間ドラマ。文豪チェーホフの著作をもとに、シェイクスピア、シューベルト、ニーチェ、さらにドストエフスキーなどといった数々の名作のモチーフが散りばめられている。
「美しく、長い物語は、徐々に抽象性を失い、骨の髄にこたえるものになっていく」(ソー・フィルム)、「その長さに怖気づいてはならない。これは雄大な映画なのだ」(TF1ニュース)と、海外メディアも長さを一つの特長として紹介し、「こんな大胆な、無謀な映画作りがあるのかとあきれながら、3時間16分の大作を身を乗り出して見た」(作家・池澤夏樹)、「あきるところがない。画面の美しさ、凄さにも堪能」(作家・阿刀田高)、「主人公の心の鎧を溶かすには、3時間もの長尺の物語が必要だったのだ」(ロシア文学者・浦雅春)と、日本の著名人からも絶賛の声が寄せられている。世界各国、時代を超えて、映画ファンに愛され続けている3時間越えの名作たち。