2015年11月6日 18:00
芸術の秋にじっくり観たい!珠玉のヨーロッパ映画2作
それは亡き父のメッセージであり、運命を変える新しいスタートだった――。
ほとんどのシーンが、パリのアパルトマンの内部で撮影され、大きな動きや効果もないからこそ、名優3人の絶妙なセリフ回しでそれぞれの人生の傷と愛する人への想いがより克明に浮き彫りになっていく。しっとりと感動したい人におすすめ。
また、2本目は、イタリア・ローマの政界を舞台に替え玉事件を描いた『ローマに消えた男』。『グレート・ビューティー追憶のローマ』などで知られるイタリアの名優トニ・セルヴィッロが1人2役を演じている。外見は瓜二つながら、性格も社会的地位も対照的なキャラクターを通して、人間の二面性や人生の光と影を体現してみせる彼の懐の深さに、誰もが驚嘆せずにいられない。
イタリア統一選挙を控えたある日、支持率が低迷しているイタリア最大の野党の党首エンリコが突如行方をくらませた。困り果てたエンリコの部下アンドレアは、エンリコの双子の兄弟ジョバンニを替え玉に起用。
するとジョバンニは、ウィットとユーモアに富んだ言葉で瞬く間に世間を魅了していく。ローマから“消えた男”と“現れた男”、やがてイタリア全土を揺るがす極秘の替え玉作戦は、思いがけない急展開を見せる…。