【インタビュー】広末涼子、『はなちゃんのみそ汁』が教えてくれた大切なこと
「最初は千恵さんがどんな人だったのか、おふたりに取材をして千恵さんに近づきたいと思っていましたが、お会いしたときに、私が千恵さんを演じること、滝藤賢一さんが信吾さんを演じること──映画のキャスティングをとても喜んでくださいました。その笑顔を見たとき、映画のなかで千恵さんがキラキラ輝いていたら、おふたりに喜んでいただけるのではないか…と。それで“ポジティブで明るい”千恵さんを演じようと思いました。いつもなら“自分だったらどうするだろう?”と、役柄を自分に置き換えて考えることもありますが、今回はいつもと違い、自分のなかに内存する母性が自然と湧き上がってくるというか、自然体でお芝居できたというか、まるで千恵さんと同化しているような感覚でした」。
母親の強さと優しさを千恵さんを通して伝えるためにも「絶対に泣かない」と心に決めて現場に入ったそうだが、「やっぱり泣きそうになってしまうシーンもありましたね…」と感情を抑える苦労もあったと語る。その表情はやはり母の顔だ。「涙を見せないことが母親の強さであり優しさだと思います。守るべきもの(=娘)のことを考えると、自分が泣いている場合ではない、と。
だから私も泣いてはダメだと言い聞かせながら演じていました。