【インタビュー】MIYAVI、アンジー監督作『アンブロークン』で迎えた“試練”
実際に、ライブにも来てくれたり、ひとりのアーティストとして評価してくれたのは嬉しいことです。今回、オーディションというオーディションらしきものも受けなく、リハーサルもほとんどなくて。ただ、アンジーとは人物像について話し合いました。彼女もとても慎重でした。渡辺伍長をよくある悪役にはしたくないとも言っていました。戦時中において、ひとりの人間としての葛藤、脆さ、弱さを表現できれば、彼を含めた、全ての戦争の犠牲が浮き彫りになると考えました。圧倒的に優位なポジションにいるのに、心は満たされておらず、常にルイを意識して憧れているようでもある。そして、ルイも同じような感情を渡辺に抱いている。
そんな複雑な関係性を表現できていれば、成功なのではないかと思います。できることはすべてやりました」。
実は、アンジーからは演技についてのアドバイスは一切なかったとか。「そのかわり、現場で僕たち演じる側がどう感じるかをすごく敏感に感じ取ってくれました。彼女自身、女優ということもあり、こちら側の気持ちに立って導いてくれました。クライマックスではセリフがない中で、感情の推移を表現する必要がありました。ルイへの憎しみ、焦りが、怯え、恐怖に変わり、渡辺が崩れていくシーンがあったんです。