【インタビュー】西島秀俊×ビートたけし×ウェイン・ワン監督 男たちが解釈する女のこと
また、この2人だからこそ表現しえた部分はどのようなところだと思いますか?
ワン監督:長い答えになりそうですが…(笑)、健二も佐原も強い“執着”を持ったキャラクターです。その側面をきちんと見せたいと思っていました。健二は、佐原と美樹を見てその執着心をより強めていく――そのケミストリーがドラマに厚みを与えていきます。西島さんもたけしさんも、役者として強さを持っており、リアルにそこにあればいいし、リアルに感じられないことは演じないというタイプです。映像作家を長くやってきましたが、ハッキリと言えるセオリーは「演じないでくれ。ただキャラクターとしてそこにいてくれ」ということだけですね。
西島:健二という役は、現実で起きているいろんなことを見ないことにして生きてる男。佐原がある意味でストレートに愛情を表すことで、健二が日常で見ないようにして隠していることがどんどん暴かれていきます。
それは北野さんが持つ資質――みんなが見ないようにしてるものを暴いていくという部分と一致してるんだと思います。
――臭いものにふたをするのではなく、暴いていく感じ?
西島:あくまで僕のイメージですが、普段から北野さんは執着を持ってないし、これまで演じてきた役も、生にも死にも執着しない。