【美的アジア】『すれ違いのダイアリーズ』監督、自然の生々しさを体験…「寂しさや孤独を表現したい」
だから先生が親代わり、すべての面倒を見てあげる。ご飯を作ってあげたり、一緒に寝るとかそういったことをしてあげるんです。
――教師である前に、母親や父親だなという印象を作品を見てすごく受けました。エーン先生は肝っ玉母ちゃんみたいな感じで、ソーン先生は新米パパみたいで(笑)。タイの女性の社会での立ち位置というのはどうなのでしょうか。
監督:タイでは昔は女性は家を守るべきという考え方がありましたが、今は関係なくなってきています。優秀な女性は認められるようになってきていますね。ジェンダー差、性差は実際の社会においてあまりないと感じます。
そういう意味でエーン先生は自分に自信がある女性の代表みたいなところがありますよね。自分の信じたことをやる、自分が正しいと思ったことをやってみる。自分の正しさを証明するところがある。戦っていくわけです。
――ラストシーンについて、監督はエーン先生とソーン先生のその後をどう予想されますか?
監督:実はあんまり答えたくはないんですけど(笑)。できれば観た人に考えてほしい。この映画のメッセージとしてそもそも、「考え方の似ている人たち同士が恋に落ちる」というのがあるんです。