2016年5月26日 17:30
【シネマモード】フロリアン・ダーヴィト・フィッツが向き合う「死」…『君がくれたグッドライフ』
不治の病に侵され、遠くない未来に身体の自由がきかなくなる日がやってくるとしたら。
自分なら、家族がそうなったら、どんな選択をするだろう。観ている間中、そう自問せずにはいられない『君がくれたグッドライフ』。ALS(筋萎縮性側索硬化症)だと宣告されたハンネスは、現在暮らしているドイツから、尊厳死が認められている隣国ベルギーへと自転車の旅に出ます。共に旅出る親友たちには、旅の目的は知らせることなく――。
親しい人々に、自分の選択をどう受け止めてもらうのか。そんな切ない課題も含め、この作品は観る者の死生観を揺さぶってくるのです。それでも感傷的になりすぎず、いかに死ぬかはいかに生きるかにも繋がっている、そう感じさせてくれるのが本作の素晴らしいところ。
誰にでも訪れる「死」というものに向き合うことの大切さ、愛する者がいることの喜びを描き切りました。
重いテーマを持ちながらも、限りある命の尊さを通して人生を賛美する、とても心に響く本作への出演を通し、主役のハンネスを演じたフロリアン・ダーヴィト・フィッツは、何を感じ、何に気づいたのでしょう。
「死が私たちの人生に変化をもたらすということを強く感じたんだ。