トム・ヒドルストンの特製しおりも! 『ハイ・ライズ』原作本復刊
映画はその様子を、ミステリアスかつアーティスティックな映像美で描いていく。
J・G・バラードが1975年に発表した同名の原作は、1996年に鬼才デヴィッド・クローネンバーグが映画化した「クラッシュ」や「コンクリート・アイランド」と並んで“テクノロジー三部作”とされる代表的な一篇。本作の主人公の医師ラングを演じたトムは、オファーよりも以前に読んでおり、とても気に入っていたことが本作出演のきっかけだったという。
原作邦訳は1980年に出版されて以来、長らく入手困難となっていたが、今回、映画公開に合わせて創元SF文庫より復刊。前回同様、故・村上博基氏が翻訳を手掛けたもので、そうした意味でも非常な貴重な作品となっている。
なお、本書には初版限定で、トム演じるラングの二面性を捉えたスタイリッシュな映画特製しおりが付属!グレーのスーツ姿でネクタイを少しだけ緩めた“表”の“セレブバージョン”と、それとは打って変わって水色のペンキにまみれ、裾を膝までまくり上げた姿でこちらを見つめる“裏”の“堕落バージョン”のリバーシブル仕様となっており、それぞれにラングの行方を占うキャッチコピーも添えられている。