2017年1月26日 16:00
【シネマモード】新しい生き方を…社会の中で闘う女性活動家たち『未来を花束にして』
男女平等に参政権がある時代に生まれた私たちにとって、それはあって当然。でも、サウジアラビアで婦人参政権が認められたのは2015年のこと。現代でも女性が政治参加することが当たり前ではない世界がまだあるのです。
映画『未来を花束にして』は、1912年のロンドンを舞台に、男性中心の社会の中で、婦人参政権を獲得するために自らを犠牲にして闘った女性たちのドラマ。当時、女性は感情的で気まぐれで、男よりも劣っているため政治には向かないとされていて、男の所有物のように扱われていました。どんなに虐げられても、抗議の声など聞き入れられず、黙って男に従って生きるのが当たり前だと思っていた時代。女性活動家たちの言葉に触れ、いまとは違った生き方ができる可能性に気づいていくヒロイン、モードが強さを花開かせていく姿が印象的です。
モードは、洗濯女。
当時は、電気洗濯機が一般家庭に普及していませんから、洗濯は大変な重労働だったと言います。洗濯女たちは、生活に不可欠な衣・食・住の「衣」を支える縁の下の力持ちだったわけです。重労働に加え、洗剤やガス、熱湯に日々晒される過酷な環境、恵まれない待遇に耐えながらも、黙々と働いていたモードたちの姿を観ていて、数年前に訪れたインドはムンバイの巨大洗濯場「ドービーガード」