そうで、「受話器越しに監督の思いが伝わって、僕も朝から号泣しました」とふり返った。ちなみに、河瀬監督によると「電話したのが朝6時だったのに、ワンコールで出てくれた」のだとか。
水崎さんも「河瀬監督が愛を注いだ作品を、世界の皆さんに見てもらうと思うと…」と言葉に詰まるほど感激した様子。共演陣も「私自身が『光』の細胞の1つになれて、現場にいても、映画を観ても救われた。監督が“出産”なさった『光』が世界に届けばと祈っている」(神野さん)、「もう(カンヌには)3度行かせてもらって、もう行くことはないと思っていた。カンヌは、こつ然と映画の王国が現れて、やがて消えるファンタジックな香りがある場所。本当に幸せだし、長生きするもんですね」(藤さん)とカンヌ入りに期待を寄せていた。
“映画”の音声ガイドの制作にたずさわる美佐子(水崎さん)はある日、視覚障碍者向け映画のモニター会で弱視のカメラマン、雅哉(永瀬さん)と出逢う。
映画の光に導かれるように、2人は音声ガイドの製作過程で衝突を繰り返しながらも、互いの心をゆっくりと通わせていくが――。今年のカンヌ国際映画祭は5月17日(現地時間)より幕開け、「コンペティション部門」