2017年9月2日 08:00
【シネマ羅針盤】ゾンビ・不倫・ヤンキー…映画宣伝の裏に隠された“NGワード”
結果的に映画が大成功を収めたので、いまでは韓国でもゾンビ映画ブームが来つつあります」。
実はこうした映画宣伝におけるNGワードは、日本でもよくある話。同じゾンビで言えば、人気コミックを映画化し、昨年公開された某作品でも「ゾンビはNG」と宣伝担当からお達しがあり、作品を紹介する際には「凶暴な生命体」などと記述された。まあ、間違ってはいないけど。
ここ最近は、世間がタブー視する「不倫」も基本的にはNGで、「禁断の愛」「禁じられた恋」といった表現に言い換える。もちろん、複雑な人間模様を描いたラブストーリーを「不倫」の一言で片づけてほしくないという作り手の気持ちは理解できるし、出演者だって映画も観ずに「不倫映画に出てた役者」なんて思われたら、心外なはずだ。
この夏、話題の某アクション映画は「不良」「ヤクザ」「ヤンキー」の文言が使えず、ライターは頭を悩ませ、「じゃあ、どう表現しようか」と知恵を絞った。本来、こうした規制はないに越したことはないが、映画宣伝には多かれ少なかれヒリヒリした“だまし合い”の側面があるので、その点は目くじら立てず、楽しむようにしている。
(text:Ryo Uchida)
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