2018年1月22日 17:15
【シネマ羅針盤】“大切なこと”すべてが詰まった200点満点の傑作『パディントン2』
■「社会で生きる」ことを考えさせるテーマ性
最新作でパディントンが直面するのは、「社会で生きる」という問題。そこから社会の多様性に触れながら、「自分の価値」を見つけ出すまでの物語がカラフルに描かれる。具体的には、ルーシーおばさんのために、骨とう品店でアルバイトを始めることで、家族の枠から一歩踏み出し、コミュニティにおける居場所を獲得していく。パディントンに、濡れ衣を着せる落ちぶれ俳優ブキャナン(ヒュー・グラントが最高の演技を披露する)は、パディントンとは正反対に、自分のことしか考えない悪人であり、社会の理不尽を体現する存在だ。
■パディントンとハリー・ポッターの共通点とは?
本シリーズのプロデューサーを務めるのは、『ハリー・ポッター』全8作をはじめ、『ゼロ・グラビティ』『光をくれた人』などを世に放ったヒットメイカー、デヴィッド・ハイマン。『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』(2004年)のメガホンを、アルフォンソ・キュアロンという当時として意外な人物に託し、大成功を収めるなど“誰も気づいていないその人の魅力”を察知する才能は、パディントンに似ているかもしれない。
「新しい才能と組むことで生まれる、クリエイティブな“循環作用”に期待している。