【インタビュー】世界的女性監督スサンネ・ビア、ディザスター大作で“興味深い母親”を描く
「マロリーはとても珍しいタイプの主人公だと思う。私はこれまでの映画で、マロリーのような描き方をされた母親を見たことがなかった。映画冒頭の彼女は妊娠しているけど、親になることに消極的。映画業界では、“母親”を男性が描いてきたわ。何年にもわたってね。大抵は優しくて、子どもを保護する母性の姿だった。攻撃的な母親は、問題のあるものとして描かれるの。でも、威勢がよくて、ほとんど攻撃的で、厳しいマロリーを、私はとても魅力的だと思えた。
実際、彼女は子どもたちを守るためならどんなことでもする。でも、マロリーは名前さえ与えない。彼女は子どもたちを“ボーイ”“ガール”と呼ぶの」。
「役のすべてを具現化する」魅力的な俳優たちとのタッグ
世界が混乱を極める中、やがてマロリーは子どもたちを連れ、“それ”を見ないよう目隠しをしながら外の世界へ。ある場所を目指して森を走り、激流をボートで下る。
「川を下るシーンの撮影は、おそらく最も大変だった。子役たちは4歳と5歳でとても小さく、目隠しをしている。サンディ(サンドラ・ブロック)もね。
本当に目隠しをしているの。彼女は目が見えない状態で歩く方法を盲目のアドバイザーに教わっていたのだけど、それでも木やカメラにぶつかっていた。