【インタビュー】世界的女性監督スサンネ・ビア、ディザスター大作で“興味深い母親”を描く
しかも、目隠しをした子どもたちを手でつかんで。監督としては、とても不安だったと言わざるを得ないわね」。
「でも、サンディと私の間には信頼と絆があった。そう感じられたからこそ、撮影し通せたのだと思う」とも。ビア監督はこれまでにもマッツ・ミケルセン、ジェニファー・ローレンス、トム・ヒドルストンら、魅力的な俳優たちとタッグを組んできた。
「キャラクターを完全に理解できる人。それが素晴らしい役者ね。彼らは自らのあらゆる面を用いて、自分ではない人間に入っていける。
ただ入っていくだけでなく、役のすべてを具現化するの。キャラクターを理解する点においては監督も同じだけど、監督は必ずしも自ら表現するわけじゃない。素晴らしい役者は本能的に、自分の役が目玉焼きを食べるかスクランブルエッグを食べるかを理解する。たとえ、映画の中に卵を食べるシーンがなくてもね」。
エンタメ性とメッセージ性の融合
サンドラが全身全霊で表現するマロリーのスリリングなサバイバルを通し、観客は痛み、赦し、成長についてのメッセージを受け取る。スサンネ・ビアという監督はこれまでも、エンターテインメント性とメッセージ性を軽やかに行き来する作品を撮り上げてきた。