くらし情報『自伝映画ではない、“個人的な映画”としての『マリッジ・ストーリー』』

2019年12月16日 21:00

自伝映画ではない、“個人的な映画”としての『マリッジ・ストーリー』

を思わせる。バームバックらしい皮肉が見え隠れする。ここに2.“ニューヨークの映画人”としてのバームバックの要素もある。

愛する人が去っていた先のロサンゼルスに対するニューヨーク派の複雑な思いを描いた作品といえばウディ・アレンの『アニー・ホール』(1977)だ。『グリーンバーグ』(2010)で既に“ニューヨーク派のロサンゼルス映画”を撮っているバームバックだが、今回はアレンもその影響下にあるイングマール・ベルイマンへのオマージュが見られる。クローズアップの多用がベルイマンの『仮面/ペルソナ』(1966)の影響から来ているのはバームバック本人も認めているし、何よりクライマックスのチャーリーとニコールの激しい口論のシーンに、ベルイマンの『ある結婚の風景』(1973)の第三部に出てくるエルランド・ヨセフソンとリヴ・ウルマンのシーンが重なる。チャーリーとニコールが息子とベッドに寝ているシーンのショットは『ある結婚の風景』だけではなく『ファニーとアレクサンデル』(1982)も思わせる。

もう一つ、ニューヨークらしい要素といえばスティーヴン・ソンドハイムのブロードウェイ・ミュージカル「カンパニー」

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