辛酸なめ子、描き下ろしイラストで解説「J・T・リロイのゴーストを降霊していた」
「あなたとは?」と問いかけてくる。
●森 直人(映画評論家)
J・T・リロイという孤独な女性の内側から立ち上がった“プロジェクト”は不器用なまでに純粋だった。救済された魂の愕きを体現するローラ・ダーンは、かつて実際に会ったローラ・アルバートに本当によく似ている。
●嶽本野ばら(作家)
クリステンのモードがクールでコートニー・ラヴも出て「HOLE」が流れて今、作品と作家であることへ僕らはどう向き合う?課題すら解決し「神に背いた少年」が蘇る……。世の中、捨てたもんじゃないです。
●山崎まどか(コラムニスト)
作者も、読者も、群がるセレブリティもみんな“J・T・リロイ”という美少年のファンタジーを求めていた。内幕を描いた本作からは、求められた側の虚しさと孤独が伝わる。
●みうらじゅん(イラストレーターなど)
誰よりも“期待に応えたい”という煩悩が強くなければ有名人なんかには成れない。
自分に行き詰り、架空の自分を作り上げるのは当然のこと。でも、それが行き過ぎると世間にお叱りを受ける。これも有名人の成せる業である。
『ふたりのJ・T・リロイ ベストセラー作家の裏の裏』は2月14日(金)よりシネマカリテ、YEBISU GARDEN CINEMAほか全国にて公開。