くらし情報『ギャスパー・ウリエル主演、知られざる植民地支配の闇描く『この世の果て、数多の終焉』公開』

ギャスパー・ウリエル主演、知られざる植民地支配の闇描く『この世の果て、数多の終焉』公開

当時のフランス領インドシナではベトナム人民がフランス軍と日本軍に二重支配されており、多くの日本人にとって知られざる衝撃的な歴史の闇をえぐり出した戦争ドラマである。

フランス映画祭2016で上映された『愛と死の谷』で絶賛を博した鬼才、ギョーム・ニクルーが監督を務め、ベトナムでの現地ロケを敢行。殺戮という無慈悲な行為が日常化し、兵士がいともやすやすとただの肉塊に変わり果てていく戦争のあまりにも不条理なリアルを、いわゆる痛快な見せ場や扇情的なバイオレンスを一切排除した禁欲的な演出スタイルで映し出す。説明描写をあえて最小限にとどめ、想像と解釈の余地を広げた独特のストーリーテリングの手法も実に刺激的だ。

主人公ロベールを演じるのは、『ロング・エンゲージメント』『ハンニバル・ライジング』『サンローラン』で世界中を魅了したギャスパー・ウリエル。グザヴィエ・ドラン監督と組んだ『たかが世界の終わり』ではセザール賞に輝く繊細な名演技を披露したフランスのトップスターが、ベトナム人娼婦との激しいセックス・シーンも熱演。理性と狂気、愛と死の狭間でもがく兵士の痛切な運命を渾身の演技で体現した。

共演には、『終電車』『シラノ・ド・ベルジュラック』などに出演し、セザール賞やゴールデングローブ賞で主演男優賞の受賞歴もある名優ジェラール・ドパルデュー。

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