規範を超えた伊吹に“感電”していく…「MIU404」正反対の二人が本物の相棒へ変わる瞬間
と過去形で語られるような人物だ。また、伊吹が破天荒で野性的なところがあるのに対し、志摩は慎重でルールや規則に忠実。志摩は理屈が勝っている人のようにも描かれる。
伊吹と志摩は、組んだ初日に車で捜査に出るが、伊吹の運転は案の定粗く、街中で派手にクラッシュする。しかし、志摩もその後、捜査中にもっと派手な事故を起こし、結局はその後、ふたりが捜査でメロンパンの営業車を使うきっかけとなるのだが、このシーンは、規範にがんじがらめな志摩が、規範を超えた伊吹に、知らず知らずに「感電」しはじめているように思えるものであった。
それは、相棒を組んで一日の勤務が終わり、上司である隊長から、伊吹の適正について尋ねられた志摩が彼を「バカですね」といいつつも、「ひとまず、保留でお願いします」といいうところからもわかる。志摩は、どこか楽しそうにその伊吹との一日を振り返っているようにもみえた。
同じ痛みを知ることで本物の「相棒」へと近づく
その後は、ふたりのより深くてつらい過去や現在が見えてくる。
例えば志摩は、署内で「相棒殺し」と呼ばれていた。それは何かの比喩であり、真実ではないと思っていた伊吹だったが、実際にあったことだとわかる。