規範を超えた伊吹に“感電”していく…「MIU404」正反対の二人が本物の相棒へ変わる瞬間
しかも、志摩にもその相棒の死の全貌はわかっていない。そして、彼に対して自分に何かできたことがあったのではないか、死へ向かうスイッチを自分が押してしまったのではないか、分岐点があったのではないかという後悔があったからこそ、誰にも過去を言えずにいたのだった。
伊吹の屈託のない性格はそれを乗り越える。九重や陣馬の協力もあり、相棒の死の理由があきらかになる。それは、志摩が考えていたものは違っていた。事実がわかった後、屋上で伊吹が「安心しろ、俺の生命線は長い」と志摩におどけて手のひらを見せるシーンに、もう相棒が死ぬなんてことを考えないでいいよと言っているような、今の相棒は僕だよと言っているような優しさと、それ以上の感情が見えた。
伊吹にもつらいことは起こる。少年時代に自分を信じてくれ、刑事になるきっかけをくれた元刑事が、連続殺人事件を追っていく中で、関係者として浮上し、しかも話を聞いていくうちに、その事件の根幹にかかわっていたことが見えてくるのだった。
志摩は彼を疑うが、伊吹には疑問を心の底で持ちつつも、どうしても疑うことができない。しかし、何かに気づきながらも感情でその気持ちに蓋をしている伊吹をみて、これまで彼が「勘」