2020年8月28日 17:00
「男性だけの歴史にしたくなかった」映画の“音”に注目した女性監督の思いとは?
例えば、映画『ブレイブハート』(95)などを手掛けた効果音ミキサーのアンナ・ベルマーは「アクション映画はスタッフも男性だと思う人が多いが、性別を気にするなんてバカみたい。問題は経験」と話し、『ダークナイト』(08)や『インセプション』(10)などを手掛けたミックスダウン技術者のローラ・ハーシュバーグは「ミキサー台は複雑に見えて男じゃなきゃ扱えないと思ってしまいそうだけど、実際に必要なのは指先の動きだけ」と語っている。
いまや性別問わず映画を愛する多くの者たちが働く現場となった映画業界。彼らは音の持つ効果を信じ、自らの仕事に誇りを持って日々挑戦を続けている。「私は自分の仕事が大好き。関わった作品を見直すとすごいと思うし、満足感がある」「楽しくてその上お金がもらえる」「夢みたいな仕事」と自慢の仕事への思いを語る、実に楽しそうな彼女たち。
本作の魅力は映画音響の歴史や秘密が次々と明かされるということだけでなく、映画愛のあふれる音響技術者たちの仕事風景や、彼ら・彼女らによって語られる仕事に対する熱い思いは、観る者を幸せな気持ちにさせてくれる。
『ようこそ映画音響の世界へ』は8月28日(金)