【インタビュー】クリストファー・ノーラン×ジョン・デイビット・ワシントン、歴史的傑作『TENET』の誕生秘話に迫る
と言ってくれたおかげで、安心して感じるままに演じられました。
――「逆行」するアクションも、すさまじかったです。
デイビット・ワシントン:今回は、体に染みついた動きを“脱・学習”して、今までに体験したことがない身のこなしを新たに習得する必要がありました。
まばたきや呼吸、喋り方ひとつにしても、全部学び直さないといけない難しさがありましたね。リハーサルも相当数を重ねました。まるでダンスの振り付けを覚えるような感覚でした。
今まで映画ではなされなかったことが初めて行われた現場でしたし、スタントコーディネーターのジョージ・コトルの力なしにはできなかったと思います。
――そのほか、ノーラン組に参加して印象的だった思い出はありますか?
デイビット・ワシントン:びっくりしたのは、監督は悪天候だとテンションが上がるんですよ。
雨がザーザー降っていてもやる気満々だし、逆にデンマークの風力発電所での撮影で快晴だった時には全然喜んでいなくて…。次の日大荒れになったら、「やったぞ」という感じでした(笑)。
ノーラン:(笑)。
デイビット・ワシントン:あとやっぱり、役者とのやり取りや演出をつけるとき、すごく楽しそうですね。