【レビュー】『エノーラ・ホームズの事件簿』は“新世代”ミリー・ボビー・ブラウンからのエンパワーメント
や「キリング・イヴ/Killing Eve」などのエミー賞受賞監督ハリー・ブラッドビアとタッグ。彼女が演じるエノーラは、フリーバッグと同じく“第四の壁”を破り、心の声をこちらに向かって話しかけてくれる。その頭脳さながらに目まぐるしく変わる表情は実に豊かで、正直で、まるでエノーラの親友になったような気分に。挿絵のような手描きのビジュアルが時折差し込まれることで、彼女を主人公にした小説のページをめくるような高揚感もある。
また、エノーラはヴィクトリア時代のレディのたしなみとも無縁。帽子や手袋は被りたくないし、そもそも持っていない。窮屈なコルセットなんて、探偵稼業でなければ着たくもない。男の子に変装することだっていとわない、当時としてはかなり自由かつ、明快な意志を持った女性だ。
そんなエノーラを育てた母親と有名すぎる兄たちのキャスティングにも触れないわけにはいかない。これまでロバート・ダウニー・Jr.やベネディクト・カンバーバッチ、イアン・マッケランなども演じてきた名探偵シャーロックには、『ジャスティス・リーグ』はじめDC映画のスーパーマンとして知られ、『コードネーム U.N.C.L.E』や『ミッション:インポッシブル/フォールアウト』で日本でも人気のヘンリー・カヴィル。