伝統的な英国風スーツをモダンに仕立てる『ジェントルメン』衣装スケッチ到着
本作ではストーリーテラーの役割も果たしている。「ヒューが演じる役は、1970年代の偉大な映画監督たちがモデルになっています。あの時代の映画監督を、もっと好色で怪しい雰囲気にしたのがヒューの役柄です。ヒューもとても気に入っていましたよ!」とウィルキンソンは明かす。
グラントはフェデリコ・フェリーニや実際に面識のある私立探偵を参考にしたとか。そんなグラントの演じる私立探偵は、灰色とも紫色ともいえない微妙な色を帯びたレンズの「レイバン(Ray-Ban)」製ウェイファーラー・サングラスを常に身に着けている。グラントの役に関しては、あのサングラスが決め手だったそうで、加えて「彼のためにレザージャケットを作り、長年着古しているように見えるように手を加えました。さらに、ハイネックのセーターとワニ革でできたブーツを合わせたのです」と語る。
このように、クールでジェントルメンな着こなしは、役柄(=その人の個性)に寄り添ったことにより実現したことが分かる。さらに、物語の中で描かれる社会的なヒエラルキーも衣装に反映されている。
それぞれのキャラクター設定に沿ったこだわりの衣装をまとい、謀略の限りをつくすクセモノたちの姿と、その華麗なる騙し合いに期待は膨らむばかりだ。