永山瑛太、カタブツだけど皮肉屋じゃない「リコカツ」夫が話題
という咲との歯に衣着せぬ言い合いがあったからこそ。彼に輪をかけた“カタブツ”の父・正(酒向芳)を「夫婦で妻だけが我慢するなんておかしい」と説得しながら、紘一自身も納得していく。この素直で一本気なところは、あの光生とは大きく異なる点だろう。
その上、薫を連れ帰らなかったことを正に責められたときには、今度は咲からの「まだあなたの妻だから」との言葉に励まされ、思わずぎこちないバックハグを繰り出した紘一。
「まだ君の夫だ」とは逆のパターン!その場面に毎回、米津玄師の「Pale Blue」が重なるのだ。「ずっとずっと…」と切なく繰り返す米津さんの詩は、離婚を決めたはずの2人の相反する気持ちに寄り添ってしまう。効果的に起用され、楽曲とドラマ双方の大ヒットに繋がった「アンナチュラル」や「MIU404」を思い起こさせる粋な演出。これぞ“エモい”という感情が、観る者にも湧き上がる。
自分を縛りつけていた価値観から、紘一、そして咲が解放されていく姿は今後も見どころとなるはず。また、それぞれ世界は違っても、仕事への情熱、使命感や達成感は互いに理解できるほどの経験値を2人は重ねている。もっとも、咲が文芸部に異動させられたことで波乱は起きていくだろう。