2021年8月2日 13:00
【映画と仕事 vol.10】『佐々木、イン、マイマイン』プロデューサー・汐田海平が新サービス「uni」をはじめたワケ 映画と観客の幸せな関係とは――?
でも、そもそも横浜国立大にそういう学科があると教えてくれたのは、母なんですよ(笑)。
――またしてもお母さまが(笑)!
そうなんです。母も医者でしたが、昔からわりと自由な選択をさせてくれたんですね。
――大学在学中から卒業後にかけてはどのようなことをされていたんでしょうか?
大学在学中は、映画を作っていました。映画評論がしたくて大学に入ったんですが、同時に映画研究部にも入って、映画制作もするようになりました。ただ、どちらもやっていく中で、わりと早い段階で評論のほうは“壁”にぶつかったんですね。すごくズルい言い方ですが、評論の世界にはすごい人たちがたくさんいて「これは勝てないんじゃないか?」って。
さきほどの文化資本、文化的な素養みたいな話なんですが、梅本先生をはじめ、大学の先輩や評論の世界で活躍されている方々の文章を読む中で「この差はどうにもならないんじゃないのか?」と思ってしまったんですね。
それで、作るほうに力を割くようになって、それが楽しくなってきたんです。
卒業後の進路に関しては、いわゆる就職活動はしていなくて、在学中から生意気にも忙しくなって、映像制作の現場の下っ端仕事だったり、業務委託を受けて映像を制作するといったことをやっていました。