『サヨナライツカ』中山美穂×イ・ジェハン監督 12年ぶりの現場で感じたデ・ジャヴュ
(光子から)あれだけ微笑まれたら、悔しいでしょうが、きっと沓子なら余裕の気持ちでいたいんじゃないか、そう思って演じました」。
「突発的に自分の中から出てくるものを大切にした」
このシーンを含め、シーンごとの感情表現について「現場で感じたリアルな感情で演じた」と中山さんはふり返る。
「とにかく現場のスタッフの方がみなさん優秀で、すごく集中力と団結力があって。その中で、私も短時間の本番で、バンコクの空や聞こえてくる騒音、そういうものを感じながら、突発的に自分の中から出てくるものを大切にして演じましたし、それがフィルムに刻まれていたらいいなと思います」。
現場では各シーンについてかなり話し合ったという中山さんとジェハン監督。
「逆に、全く言葉を交わさずとも分かり合えた瞬間が、撮影の中で幾度となくありました」(監督)。「良いショットが撮れたときは互いに見つめ合ってニヤニヤしていました(笑)」(中山さん)。
「奇跡の積み重ね」(中山さん)という言葉がふさわしい。
厚い信頼関係で結ばれた監督と俳優たちが織りなす“一瞬の出会いと永遠の愛”が交錯する物語をじっくりと堪能してほしい。(photo:HIRAROCK/hairmake:Kazuko Komatsu/stylist:Hiroko Sogawa<ca-co-ca-lo>)