2021年8月31日 08:00
妻夫木聡&安藤サクラ&窪田正孝ら、石川慶監督と『ある男』映画化へ
ぜひ劇場で、翻弄されながら観て欲しいです。
石川慶監督
シンプルなタイトルに惹かれて手に取った『ある男』。「これは誰もが映画化したがるに違いない」という思いと同時に「こんなに映画化が難しい小説もそうそうない」という、相反する感想を持ちました。でも、すでに『ある男』に強烈に共鳴してしまっていた自分には、手を挙げないという選択肢はありませんでした。この大きな挑戦に、妻夫木聡という役者が一緒に戦ってくれたことは、とても大きな意味を持っています。常に変わらず、そして常に新しく、底が見えずとも物語の深層へ、躊躇なく一緒に潜ってくれる、自分にとって唯一無二の存在です。
そこに、安藤サクラさん、窪田正孝さん、清野菜名さん、眞島秀和さん、小籔千豊さん、仲野太賀さん、真木よう子さん、柄本明さんといった、日本映画界の最前線にいる俳優たちが集結してくれました。カメラの後ろで日々目撃した、あの奇跡のような瞬間の数々を、早くみなさんに届けたくてうずうずしています。
原作:平野啓一郎
『ある男』は、私の小説家生活20年目のタイミングで刊行された長篇です。
前作『マチネの終わりに』で描いた「未来は過去を変える」という主題を、分人主義的に更に発展させ、
「愛にとって過去は必要なのか」