くらし情報『ハリウッド映画界の悲劇・拳銃誤射事故はなぜ起こってしまったのか…撮影現場にあった事故前の予兆』

2021年11月4日 17:30

ハリウッド映画界の悲劇・拳銃誤射事故はなぜ起こってしまったのか…撮影現場にあった事故前の予兆

Photo by cinemacafe.net


《文:Akemi Kozu Tosto/神津トスト明美》

米国ニューメキシコ州サンタフェで撮影中だった映画『ラスト(原題:RUST)』の撮影現場で、米俳優アレック・ボールドウィン(『ミッション・インポッシブル』シリーズ)が使用していた拳銃が誤って実弾を発砲。直撃されたハリナ・ハッチンス撮影監督が亡くなり、その後ろに立っていたジョエル・ソウザ監督も肩に重傷を負うという悲劇が起きた。

いくら銃の国アメリカとはいえ、映画の撮影現場に実弾が紛れ込むなどあるまじきことで、映画業界をショックに陥れている。安全第一の撮影現場でいったい何が起きたのか?長年にわたりハリウッド撮影現場で仕事をしてきた筆者が現場目線で解説する。

映画撮影チームは軍隊のつくりに似ている

ハリウッド映画製作の舞台裏は軍隊にも似た厳しさがある。特に、米国映画俳優組合(SAG)や映画関係の裏方を総括しているIATSEなど、「ユニオン」と呼ばれる労働組合員で構成されている映画プロダクションは人件費が膨大になり、分刻みで何千何億というお金が流れ出ていく。映画の製作現場は、予算と時間との戦いに勝ち、映画製作というミッションを成功させるためにたくさんの人間が動く。

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