【インタビュー】有村架純と石橋静河はどんな思いを抱いて抱きしめ合ったのか? “分断”の時代に大切な他者へのまなざし
ある意味で佳代が、人間らしさを見せられる唯一の人だったのかなと。そういう存在が佳代にできたことは、個人的にすごく嬉しかったですし、苦しみや葛藤を抱えてあの時、みどりさんだったから身を委ねることができたんだろうなって感じます。
石橋:確かに、抱きしめられたり、抱きしめるシーンは印象的なシーンが多いなっていまふり返って思いました。最初、母親と対峙して、抱きしめてもらうシーンはすごく難しくて…。抱きしめてもらう前に「お母さんに抱きしめてもらいたかった」というセリフあるんですけど、それがどういう気持ちなんだろうかっていうのがわからなくて、私は家族とすぐハグするような、いつも甘えられる環境で育ってきたけど、みどりは抱きしめられたことがなかったんだな…と。それを頭で想像できても、体感でどういう感じなのか? すごく難しかったです。
実は、先ほど有村さんがおっしゃっていたドキュメンタリー映画を私もたまたま観たんです。監督やスタッフさんからではなく、友達から「面白いよ」と言われて観たら、まさに同じテーマを扱っていてびっくりしました。
その映画の中で、まさに近い言葉をおっしゃっている方がいて、それを見て、震えたというか、自分の中で納得がいったんですね。