【どちらを観る?】アカデミー賞有力『マイレージ、マイライフ』vs『ハート・ロッカー』
を現代社会の中で見つめた作品は多いが、その答えを最も知的かつ思慮深く教えてくれる1作。
一方、イラクに駐留する米軍爆弾処理班の現実を描いた『ハート・ロッカー』は、キャスリン・ビグローの冷静な眼差しと機知に圧倒される戦争アクション。これ以上ないほどの危険な任務に身を投じていく男たちの心情が、何とも言いがたい緊迫感を湛えた戦場シーンと共に描かれていく。そこにあるのは戦争の現実に対する考察だけでなく、“男”の生態をずばっと大胆に物語る心理ドラマも。そんな中、有名スターと新進俳優が絶妙な配分でキャスティングされ、それぞれが予想外の展開を迎えていく意外性も、物語の緊迫感を高めるのに一役買っている。女性監督が放つ男のドラマという“意外性”に始まり、意外性として語ることが愚かしく思えるような意外性に溢れた本作で、ビグローはすでに女性監督として初の全米監督組合賞を受賞。この事実も、意外性として語ることが愚かしく思えるような意外性のひとつになりつつある。
(text:Hikaru Watanabe)
特集:2010アカデミー賞
http://www.cinemacafe.net/special/oscar2010/
■関連作品:
マイレージ、マイライフ 2010年3月20日よりTOHOシネマズ シャンテほかにて公開
© 2009 DW STUDIOS L.L.C and COLD SPRING PICTURES. All Rights Reserved.ハート・ロッカー 2010年3月6日よりTOHOシネマズ みゆき座、TOHOシネマズ 六本木ヒルズほか全国にて公開
© 2008 Hurt Locker, LLC. All Rights Reserved.第82回アカデミー賞 [アワード]
© Omelette/AMPAS
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