2022年5月4日 12:15
『カモン カモン』ホアキン・フェニックス&新星ウディ・ノーマンの対話に癒される理由とは?
といった言葉に、うなずきたくなる人は多いだろう。
“父性の不在”が長らくあった家で息子をひとり育ててきたヴィヴは、メンタルイルネスを抱える夫を支えながら、利発なジェシーについて報告する(愚痴る?)兄ジョニーの電話にも対処する。その合間にきっと、自分の仕事もしている。「仕事と子育て、どうやって両立していますか」が、どれほど野暮な問いかが見えてくる。世の中の母に対する、リスペクトがここにある。
実際に2人で電話をかけ合って撮影したというヴィヴ役のギャビーとホアキン演じるジョニー、そしてウディ演じるジェシーが醸す親密さは丁寧な関係作りから生まれたものだ。ジェシー役に大抜擢され、イギリス人ながら「あまりに説得力がある」アメリカ英語のアクセントを披露したウディとホアキンは撮影前から交流し、その上で順撮りをしながら自然で誠実な関係性を構築してきたことがスクリーンにはっきりと刻まれている。ティモシー・シャラメが憧れというこの新星俳優は、ホアキンから学んだものも多いはずだ。
世界が抱える問題を子どもたちの声が炙り出していく
「ジェシーをより理解したいと思ったとき、彼(ジョニー)はジェシーの遊びに参加し、その話に耳を傾けるようになる。