【シネマモード】人間とは、ないものねだりな生き物なのね。『17歳の肖像』
才女が演じるおとぼけというのも、味があっていいものですよね。
好きなおとぼけキャラクターといえば、ヒロインの同年代ボーイフレンド役を演じたマシュー・ビアード青年もとってもかわいい。初めてガールフレンド(=ヒロイン)の家にお呼ばれしたときの、すべてにおいて間の悪い様子など、私から見ればキュートな限りです。でも、ヒロインの両親、特に父親からしてみれば、ただの子供に見えたようで、娘の相手には不足といったところだったよう。損得ばかり考えるいんちきそうな大人よりも、ドン臭いけれど誠実な男子の方がいいのに、と思う私でしたが、それも人生をそれなりに経験してきたから思えることなのでしょう。
もしかすると、ピーター・サースガード演じる大人代表と、マシュー演じる青年代表と、どちらに好感を抱くかで、“少女度”がわかるのかも。大人に憧れる少女たちは、迷わずオシリの青そうなマシューではなく、ピーターを選ぶことでしょう。でも、少女に憧れる(?)大人たちは、初々しいマシューを選ぶはず。
ああ、人間ってないものねだり。「まずは、自分のまわりにあるものに感謝しましょう」とは、私の書道の師、武田双雲氏の言葉。がんばります!
(text:June Makiguchi)