くらし情報『【シネマモード】人間とは、ないものねだりな生き物なのね。『17歳の肖像』』

【シネマモード】人間とは、ないものねだりな生き物なのね。『17歳の肖像』

その人々に囲まれて、それぞれから少しずつ何かを得ながら、理想と現実の違いを学び、成長していく主人公。観客に、ヒロインは何て無謀なんだ、そんな行動は若気の至りだ、と思わせつつ、それでも彼女の成長を応援させてくれる。そんなストレートな語り口に、非常に好感が持てる作品でした。

作品の出来もさることながら、60年の頃のイギリスを映したファッションも魅力のひとつ。親では決して教えてくれない刺激的な魅惑の世界を、手取り足取り教えてくれる年上の異性への憧れと夢、そして現実の中で揺れ動く少女の心を、ファッションを使って描き出しました。制服を脱ぎ捨て、大人びたワンピース×スカーフ×ハイヒール×ハンドバッグを身につけるヒロインは、まだ大人のファッションがしっくりくるわけではありませんが、なんとか大人のフリをしようとする背伸び具合に、女性なら誰しも昔の自分を思い出すのではないでしょうか。一所懸命に、ブラウス×タイトスカート×アップスタイルのヘアなどを自分のものにしようとする少女を、瑞々しい知性を感じさせつつ演じたキャリー・マリガンは本当に素敵。アカデミー賞ノミネートも頷けます。


でも白状すると、私がより気になったのは、脇を固めたロザムンド・パイクの方。

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