2022年11月30日 17:50
「この作品は藤ヶ谷太輔としか考えられない」『そして僕は途方に暮れる』三浦大輔監督インタビュー
ですので、王道的なロードムービーではあるけれど、主人公が逃げている内容が映画にするまでもない、実に些細なことだという──そのギャップを踏まえて、しっかり映画的につくりこむのが面白いんじゃないかと考えました。
■物語の主題として、監督が描きたかったことは?
三浦監督主人公が、スマホの連絡先に誰も頼れる人間がいなくなった状況に置かれて、世界でひとりぼっちになってしまったような実感を抱く瞬間を描きたかったというのが、最初の発想でした。それはタイトルにも繋がっていて、作品をつくる上で最初の引き金になってもいるんですけど、ただ……逃げる動機はそこまで大仰なことではないんですよね。
最初のイメージでは、もうちょっとシリアスになるのかなと思いつつも、結構、コメディー色が強くなり、いい意味でどうしようもない逃亡劇になりました(笑)
■結果、エンターテイメント作品になったということ?
三浦監督そうですね、エンターテイメントの要素はすごく強くなったかなとは思います。些細な物語ですが、なるべく多くの人に共感してもらいたいですし、見てくださる方の幅が広がるといいなと思いながら創ったところはあります。