2023年7月12日 13:30
【インタビュー】『愛しのクノール』マッシャ・ハルバースタッド監督 「子供に必要なものは健全なお伽噺だけではない」
パペット(人形)の素材は羊毛でしょうか。
マッシャはい、素材に羊毛を使いました。母に関しては特殊なウィックのような物を作り、上から羊毛を糊付しています。髪に動きが出るし、質感もすごく良い感じでした。
──最近は3Dプリンターで出力したツルツルのパペットが多用される傾向にあります。本作の手作りの温かみを感じるパペットがとても良いですね。
マッシャありがとうございます。3Dプリンターは使用していません。
登場人物の頭部は硬質プラスチック製で、瞼や口は別のパーツで付け替えられるように出来ています。しかし、おじいちゃんだけは眉毛や顎が動かせる特殊な仕組みのパペットを使っています。彼はアウトサイダーなので、他の登場人物とは造詣から明確に変える必要がありました。髭を付けたりしているのも、本性を隠すために意図的にやったことです。
ロアルド・ダールの影響と「悪いままのおじいちゃん」
──おじいちゃんのエネルギッシュで懲りない性格は、確かに強烈な印象を残します。マッシャ監督は幼い頃からロアルド・ダールの愛読者だったと伺いました。ダールの小説に登場する大人たちに共通するものを感じました。演出の際にダールの作品を意識されたのでしょうか。