内部というのは、そこで働く人々や、国立美術館を愛する市民たちのこと。実は、アムステルダム国立美術館は2004年から大規模な改装工事が始まったのですが、美術館関係者と地元民の間で計画にまつわる対立が勃発。順調にいけば2008年リニューアルオープンの予定でしたが、大もめにもめ、その後もトラブルが続出。2010年のいまも工事は中断していて、予定では2013年には再オープンというかなりの大騒動に発展しているのです。現在も、本館は閉鎖状態。思えば、私が訪れた際も、展示は本館でなく隣接する棟で行われていましたっけ。こんな大きな美術館なのに、なんで入り口がこんなに小さくて横っちょにあるのだろうと思った記憶があります。
そんなことを思い出しながら観た本作。
そもそも、国立美術館の改装が、日本ではここまで大問題になるのだろうかというところも興味深い話です。
そんな騒動だけでなく、この作品では美術館の内部でどんなことが行われているかも、教えてくれます。美術館改革についての会議の様子、学芸員による展示構成の議論、美術品収集の様子、所蔵品の数々、そして力仕事を担う作業員たちや警備員たちの思い、修復家たちの仕事ぶりなどです。