くらし情報『止まらない“承認欲求”…現代の空気感をリアルに描く『シック・オブ・マイセルフ』』

2023年10月14日 17:00

止まらない“承認欲求”…現代の空気感をリアルに描く『シック・オブ・マイセルフ』

一概に年齢だけで判断できない部分はあれど、ネット社会に対する解像度が高い作品の作り手は、やはり若手が多い(なお、アリ・アスターは1986年生まれ)。例えばリューベン・オストルンド監督(1974年生まれ)が『ザ・スクエア 思いやりの聖域』『逆転のトライアングル』で描く「炎上商法」「インフルエンサー」とは、距離感がだいぶ異なっている。

そして、『シック・オブ・マイセルフ』のクリストファー・ボルグリは1985年生まれ。リアル/デジタルの他者からの評価を欲してしまう「承認欲求」のどうしようもなさ(止められなさ)、そんな自分にどこか引いていたりもするアンビバレントな状態等々、加熱/冷めた心理描写が絶妙だ。シグネの行為自体は過激だと感じても、そうさせる心理には思い当たるフシしかないのではないか。実に先鋭的な切れ味を、震えながら楽しんでいただきたい。

「ルッキズム」「多様性」「盗作」「搾取」――現代の問題を網羅

止まらない“承認欲求”…現代の空気感をリアルに描く『シック・オブ・マイセルフ』

承認欲求をテーマにしているという点で“いま”感の強い『シック・オブ・マイセルフ』だが、時代に突き刺さる要素はそれだけではない。「ルッキズム」や「多様性」「創作におけるオリジナリティ」「搾取」

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