エマ・ストーン主演『哀れなるものたち』、『クルエラ』『女王陛下のお気に入り』に共通する“ヘア・メイク”の華麗なる仕事
と語り、馴染みのない世界観のなかでも歴史的要素をもとに、観る者にインスピレーションを与えるキャラクターを作り上げるステイシーの手法を明かす。
本作では、女性に時代と場所を問わずまとわりつく偏見や社会的制約をテーマにしているが、ステイシーととmに作り上げたベラの真の自由と平等を見つける力強さを彼女のビジュアルから見出すことができるだろう。
社会通念に左右されない、アレンジしない【ベラの長くおろした髪】
2つ目のポイントは美しい佇まいの中で特に目を引く【ベラの長くおろした髪】。ベラは生い立ちや社会のルールを持たない自由な存在であり、ステイシーもそこに彼女の魅力を見出していた。
その中でステイシーがベラのヘア・メイクアップを手掛けるうえで参考にしたのはヴィクトリア朝時代だ。当時、女性の長い髪は男性から見て魅力的だとされており、女性は家の中でだけ髪をおろすことが常であり従うべきルールであったという。だからこそステイシーは“ベラの髪をアップスタイルにすることはない”と決めた。
「社会には常に、その時代のルックにそぐわない人々がいます。私たちはそのような人たちがどうだったのか、もし彼らが違う考え方をしていたらどうだったのかを探っていました。