2024年1月29日 19:00
韓国史実最大の謎…『梟ーフクロウー』王朝実録に残された“怪奇の死”に迫る
盲目の天才鍼医を主人公にした朝鮮王朝時代のサスペンス・スリラー『梟ーフクロウー』。本作の創作のヒントとなった韓国史実の最大の謎、“ソヒョン世子の怪奇の死”を解説する。
朝鮮王朝時代の記録物<仁祖実録>(1645年)に残された“怪奇の死“にまつわる歴史的な謎に、新人監督アン・テジンが斬新なイマジネーションを加え映画化した本作。
映画は、朝鮮王朝実録に“薬物中毒で亡くなった”として記録されたソヒョン世子の謎の死から始まり、その死を目撃したのは盲目の鍼医だったという斬新なアイディアを取り入れることによって、これまでにない没入感満載のサスペンス・スリラーを誕生させた。
韓国では有名なソヒョン世子の死にまつわる謎は、朝鮮王朝実録に記述された次の文章が基となっている。
朝鮮に戻った王の子は、ほどなくして病にかかり、命を落とした。
彼の全身は黒く変色し、目や耳、鼻や口など七つの穴から鮮血を流し、さながら薬物中毒死のようであった。
ー朝鮮王朝実録ー
朝鮮王朝の第16代国王・仁祖(インジョ)の長男が昭顕世子(ソヒョンセジャ)。2017年公開映画『天命の城』(監督は「イカゲーム」ファン・ドンヒョク)